そうだったんだ…よかった。
充血してたし腫れてたし血は出てたしで、勝手な想像が先走っちゃったかな。
でも…切れてたってことは深影がそういうことをしたってことで…
状況からして目元を殴ったとか、だよね。
そう考えるとやっぱり怖い。
一歩間違えたら眼に異常を来す場合だってある。
眼に直接危害がなくても目のまわりに衝撃があると危険だって、大岩先生が言ってた。
骨が折れたりしたらそれこそ一大事なんだから。
怒りたいわけじゃないけれど、やっぱり大事なことだから。
ジッと深影を見つめると、バツが悪そうに目を伏せられた。
「ごめん。頭に血上って周りとか全然見えとらんかった」
「うん」
「鏡華のことも…気付いとらんくて、ごめん」
ごめんって言葉が欲しいんじゃないよ。
深影がわざと目元を狙ったわけじゃないこともわかってる。
そもそも殴るってこと自体がいいことではないのだけれど、そこに2人の事情があるのなら口出しはできない。
それに、もう終わったことだ。
嫌でも反省する機会を与えられたんだしね。



