腕を引かれるままに、行きは1人だったニシロ階段を2人で下りていく。
謹慎期間は1週間で、反省文と山のような課題が出されたとか。
こっそり喧嘩の理由も訊いたのだけれど、答えてくれなかった。
「どーぞ。じいちゃん帰ってくんの遅いからさ、鏡華のお母さんもだろ?」
「うん…お邪魔します」
やっぱり……緊張する。
なるべく意識しないようにしながら深影の家に上がり込むけれど、強ばる体は誤魔化せない。
「部屋行ってて。俺ちょっと電話してくるから」
言い残して深影が出ていったあと、玄関が開閉する音がした。
何で電話するのにわざわざ外に出るんだろう。
聞かれたら困る内容なのかな?
疑問に思いながらも深影の部屋のベッドに腰掛ける。
机の上には脱ぎ捨てられた制服のシャツと、山積みの課題。
プリントだけかと思っていたのに、分厚い問題集みたいなのまである。
これを1週間でって、寝る間もないんじゃないかな。



