あの日失くした星空に、君を映して。



「そうやなぁ…」


神妙な面持ちで聞いてくれる風香が私のことを考えてくれているのがわかる。


改めて、親友っていいなって思えた。


「無理はせんで、会いたくなったら会いに行ってみ?」


「いいのかな、それで」


「鏡華は人の気持ちばっかり考えすぎなんよ。たまには自分優先にせんと疲れるやろ?」


私は風香の方が人一倍誰かのことを考えていると思う。


どうでもいい人の為にすることは正直疲れるから、自分から行動しようとは思わない。


ここに来る前の自分がそうだった。


自分だけがまわりと違ってどこか冷めた空気をまとって、色んなものに遮断されたつもりでいた頃の私に。


変わるきっかけになったのは、佐山さんなのかな。


もしかしたらあのまま前の学校にいたとしても佐山さんや高橋さんとなら楽しいと思える学校生活を送れたのかもしれない。


それでも、私にはどうしても、この場所で深影と風香、それから工藤くん、あと美里さんといられることが奇跡みたいに思えて。


どうしようもなく嬉しい。


人の為に何かをしたいと思えたのは初めてだから、いつも正しい道を選べるわけではないけれど


自分優先って考えを持ってもいいのかな。