「あははっ!」
笑い事じゃないよ!
もう…
ひとしきり笑ったあと、風香がふと真面目な顔をする。
「ま、問題は深影と幸久やな。謹慎やろうし、あたしは幸久んとこ行くけん、鏡華も深影んとこ行くんで?」
それなんだよね。
やっぱり謹慎は免れないか…
家が隣だし行けないことはない、というか深影の様子を見に行くつもりはもともとあった。
けれど…
「ちょっと、怖いの」
「?なんが?」
「工藤くんの怪我がどのくらいなのかわからないし、その…見ちゃったから…」
あの傷を負わせたのは深影だ。
それは変わらないし、深影も怪我をしているとはいえ、私にとっては工藤くんの怪我の方が頭に残ってる。
「深影にあったら…もしかしたら拒絶しちゃうかもしれない」
そんなことは絶対にしたくないけれど。
条件反射でそうなってしまったら、自分じゃどうしようもできない。
私の中で落ち着くまでは深影に会いたくないって思うのは、変なのかな。
会いたい気持ちと会いたくない気持ちが混ざりあって、ひどい矛盾を生む。



