あの日失くした星空に、君を映して。



今になって初めて風香の本音が聞けた。


嫌うわけがないって言葉も素直に嬉しかったけれど、今の言葉の方がずっと嬉しい。


工藤くんを抜きにして考えるのは、今の私と風香には到底無理で。


その上で好きって言ってくれた。


「ありがと、風香」


「お礼言われるようなこと言ってないやん…最低やんかあたし」


そんなことないよ。


好きな人の好きな人を自分も好きになるなんて、きっとそうそう上手くいかない。


風香の、羨ましいって気持ちを知れたことももちろん嬉しい…のだけれど。


それを“嬉しい”と形容するのは…正しいのかな。


私は工藤くんに恋愛感情を持っているわけじゃないから、付き合うとか、そういう関係にはならない。


だからってすぐに工藤くんが私への想いを諦めるかって言われたら、そうじゃないんだと思う。


人の気持ちとか、本人じゃないとわからないことって沢山ある。


実際は人によっていい加減だったり中途半端な想いの人だっているのだろうけれど


それでも、自分のことを好いてくれた人のことは信じてみたい。


例え、その気持ちに応えることができないとしても。