「厳しいけど筋は通っとる人やけん、あんまり心配せんでいいよ」
筋が通ってる人だからって寛大な処分になるわけじゃない。
それ相応の処分は避けられなくても、理不尽にひどいものにはならないことがわかって、一安心した。
「んじゃ、うち行くな。後は2人でゆっくりどーぞ」
「ちょ、美里!」
ベッドから飛び降りてカーテンをくぐり抜けた美里さんを風香が呼び止めるけれど、すぐにドアが開閉する音が聞こえた。
本当に出ていっちゃった…
授業中なのにどうするんだろう。
風香をチラッと見ると、さっきとは打って変わってカチコチに緊張してるようで。
美里さんと何を話したのかはわからないけれど、私の前だからってことは明らか。
「あの…風香?」
2人になった途端にこれはキツいよ。
恐る恐る声をかけると、がしっと肩をつかまれた。
「風香?」
「ごめんな。鏡華のことは好きなんよ…好きなんやけど…どうしても、幸久に想われてる鏡華が羨ましくて仕方なくて…」



