あの日失くした星空に、君を映して。



心配かけたくないし、笑わないと。


そう思ってもう一度笑って見せようとしたのだけれど


あれ……おかしいな。


口角が震えてうまく押し上げられない。


もう一度頬に力を入れようとすると、美里さんの手が私の両頬を包んだ。


「笑わんでいいよ」


真っ直ぐな瞳は心配そうに揺れていて。


風香も同じような顔で私を見ていた。


「深影達のことは全部聞いたけん。ショックかもしれんけど、そんなに気にせんで、な?」


背中をさすりながら優しく言ってくれるけれど、違う。


違うんだよ。


2人が喧嘩をしたことがショックなんじゃない。


なんで?って思った。


いつもと全然違う2人を怖いって感じたし、すぐに間に入ろうとは思えなかった。


でも、でもね。


それ以上に頭の中に張り付いて離れないの。


工藤くんの、血と目が。