「鏡華!」
「鏡華、よかった…目覚ましたんやね」
風香…美里さんも。
いてくれたんだ。
ギュッと苦しいくらいに抱き締められて、我慢できなくて。
思いっきり両腕を広げて2人に抱きついた。
「よしよし、鏡華が泣くの珍しいな」
頭を撫でてくれる風香がいつも通りで安心する。
朝のことで怒ってるんじゃないかって思ってた。
ていうか…私、泣いてる?
風香のセーラー服に押し当てた顔を少し離すと、本当に涙の跡がついてた。
途端に恥ずかしくなって、ポツリと小さな声で呟く。
「鼻水ついちゃった、ごめん」
「はあ!?ちょ、やめて!」
「嘘だよ」
冗談めかして言うと、何とか笑えたのが自分でもわかる。



