周りの生徒を乱暴に押しやってこっちに来る。
他の先生は生徒に向かって何かを言っていた。
多分、教室に戻れとか…そういうことだろう。
少しずつ奥の方の生徒が減って行くにつれて、教室の近くにいた人達も蜘蛛の子を散らしたように離れて行った。
私はその場から動くことができなくて、ただ中の様子を見つめる。
山本先生の怒号に気付いたのか、廊下に目を向けた深影と一瞬視線が交わる。
大きく目を見開い後、笑った。
どうして。
我慢できなくて中に飛び込もうとしたのも束の間、すぐそこに近付いてきていた山本先生が乱暴にドアを開けた。
「お前ら!!何してんだ!」
予想通りの怒鳴り声が教室をビリビリと震わす。
深影も工藤くんも、それ以上抵抗することなく、後から入ってきた先生に肩を支えられてフラフラと歩き出した。
山本先生は般若のように顔を歪めて2人を睨みつけている。



