あの日失くした星空に、君を映して。



*

泣きじゃくる風香を包み込む美里さんを見ていると、自分が何もできないんだってわかった。


私にできることは、風香と美里さんを2人にすること。


私がどう思っていたって、何を思っていたって。


今の状況で私がそばにいるのは逆効果だ。


今の風香の気持ちを一番にわかるのは多分、美里さんだから。


授業中に戻ることはできなくて、風香達がいる場所とは逆の校舎裏に1人でいた。


チャイムが鳴って校内に入る時、今回はちゃんと靴を履き替えて外に出たから、もしかしてと思って確認してみたけれど、風香の靴はなし。


ただの呼吸がため息に変わる。


意識して我慢してみても、気を抜くとすぐに深く伸びたため息が零れた。