あの日失くした星空に、君を映して。



「はぁ!?なんなんそれ。最低やな!」


美里さんが怒鳴るけれど、私は風香から目を逸らすことができない。


「っ…やっぱり」


やっぱり…?


やっぱりって、何が…


風香の「やっぱり」が工藤くんの行動のことだと思って考えた私は


風香がはっきりと言葉にするまで、気付けなかった。


「好きになんか…ならんかったらよかった」


…なんで…


なんで、そんな風に言えるんだろう。


ギシリと自分の胸が軋むのと同時に、何で言わせてしまったんだろうって苦しくなる。


遮れば、風香は最後まで言わなかった。


言わせたくなかった、そんなこと。


再び堰が切れたように泣き出す風香を美里さんが抱き寄せる。


呆然とする私に、申し訳なさそうに眉を下げて言った。


「ごめんな、ちょっと2人にしてくれん?うちが後でちゃんと連れていくけん」