「なんかなぁ…幸久って内面すごい激情家っぽいわ。勢い任せでやらかすタイプやな」
冷静に分析する美里さん。
確かに、そうなのかもしれない。
見ているだけだとなかなか気付かないけれど、ふとした一面に意外性が隠れてたり。
あまり多くはないけれど思い当たる節をポンポンと浮かべていく。
最後はやっぱり、この間の出来事が浮かんだ。
「風香、あの…」
ここまで来て黙ってるなんてよくない。
ううん、私が風香に隠し事はしたくない。
だから
「キス…されたの、工藤くんに」
した、って言わなかったのは、私が悪者になりたくなかったから。
変な気遣いばかりして、ハッとした時には遅かった。
ひどく傷ついた顔の風香を見て、すぐに後悔した。
言わなければよかったって。



