「鏡華………?鏡華!!!」
ドサッと何かが落ちる音がして、そっちを見ると突然誰かに抱きしめられた。
「鏡華っ!鏡華……!」
「お母さん…?」
泣きながら私の名前を呼ぶお母さん。
こんなに取り乱すお母さんを見るのは初めてだ。
ビックリしながらお母さんの背中に手を回す。
落ち着かせるように背中をポンポンとすると、お母さんが小さく息をのんで私から離れた。
「鏡華……よかった…」
「お母さん、ここどこ?」
真っ赤に泣き腫らされたお母さんの目。
私は気になっていたことを聞いた。
見慣れない、気持ち悪いくらいに真っ白な空間。
なんだろうここ…病院みたいな感じ。
「鏡華は…階段から落ちて意識がなかったの。ここは病院よ…」
あ、やっぱり病院なんだ…
昔、おじいちゃんのお見舞いで何度か来たことがあるけれど、自分がこのベッドのお世話になるとは思わなかった。



