静かだった。 音がなくなってしまったかのような静けさ。 真っ暗な世界で自分の鼓動の音だけがやけに大きく耳元で響く。 「きょ………………きょう……………か…」 ドクン、ドクンと大きな心臓の音の、ずっとずっと外側から誰かが私を呼んでいる。 誰だろう……… 返事をしたいのに、声がのどに張り付いて出てこない。 ドクン、ドクンという音が大きくなって、声が聞こえなくなった。