あの日失くした星空に、君を映して。



お礼を言って外に出る。


骨数の多い和傘は開くとぶわりと大きく広がった。


「送る」


「え?でも、往復しないといけないよ?」


同じように傘を広げて工藤くんが先に歩き出す。


ここからだと上り坂が多いのに、なんでだろう。


工藤くんなりの優しさなのかなって思ったけれど、どうにも素直に受け止められない。


深影や風香になら、何よりも先にありがとうを言えるのに工藤くんだと言葉が出てこなくなる。


ただただ、申し訳ない気持ちでいっぱいで。


そんな私の気持ちに全く気付いていない、なんてことはないはずなのに。


本当に…工藤くんはよくわからない。