わずかな希望を込めて遠まわしに言ったのに、一刀両断。
思わずピシリと固まってしまう。
「うーん…ごめんなあ。今日あたし店番頼まれとんのよ。鏡華は掃除当番あるやろ?」
「うぅ…大丈夫、ありがとう」
今日は私と深影を含めた数人が掃除当番。
深影がいない分の時間もかかるし、待っててとは言えない。
「幸久に入れてもらいよ?遠回りになるけど傘貸してくれるやろうし」
「いいのかな…」
もうそうするしかないか。
予備の傘は全部ボロボロで使えたものじゃないんだもんね。
工藤くんに頼んでみたら、無表情で無愛想だったけれど了承してくれた。



