ぼんやりとしていた私は気付かなかった。 「戸塚さん!!!」 どこからか聞こえてきた佐山さんの声。 その時にはもう遅かった。 ───ガタンッッ!!! 「え………」 視界を横切る私のカバンの中身。 教科書やノート、筆箱の中身が飛び散るのがやけに鮮明に目に映って。 ドンッと体が床に打ち付けられた瞬間 「…………っ!!!」 声にならないほどの痛みが全身を駆け巡った。 そんな痛みの中、熱を持ったように熱く、鋭い痛みが集まった。 私の、右目に。