あの日失くした星空に、君を映して。



「うか…きょーか、鏡華」


「ん…………なに…」


「なに、じゃなくて。起きろ」


ペチペチと頬を叩かれる。


筋張っているけれど、あったかくて。


無意識にその手に頬をすり寄せた。


「んへへ………」


「コラ、いい加減起きろ」


「いたっ!」


グイーッと頬を引っ張られた痛みで眠気がかき消される。


条件反射で起き上がった…つもりだったんだけれど、視界に広がるのは天井。


見ればベッドの端に腰掛ける深影が布団を下敷きにしているせいで起き上がれない。