「冗談よ」


へ…冗談?


「さすがに無理にとは言わんよ。けど…」


けど、なに?


ジッと風香の言葉を待ちながら、妙に高ぶった心臓を落ち着かせる。


やっと普段通りの心拍に戻ったと思った矢先


「もういっそ玉砕するなら2人でがいいな」


風香がそんなことを言うから、また一層ドクンと鼓動が跳ねた。


なんかハメられてる気が…いや風香に限ってそんなことするわけないか。


追い討ちをかけるように上目使いで見上げられる。


「なあ、一緒に1ヶ月告白作戦を決行せん?」


いつの間にか作戦に格上げされてるし。


あざとい、風香あざといよ。


そもそも、風香が告白するって言ってるのが本気なんだってわかった時点で私だけ何も行動しないなんて選択肢は薄れてた。


これはきっかけだ。


チャンスだよね。


「わ…わかった。やる!」


「やった!鏡華ありがとう!」


ギューッと抱き締められて、風香がニッコリと笑う。