あの日失くした星空に、君を映して。



「戸塚さんって人のことちゃんと見ててさ…すごいね」


「そうかな…ありがとう」


ちゃんと見なくても自然と目に入ってくるんだから仕方ない。


それとも、私が変なだけで、他の人は目の前にいつでも夢中になれるものがあって、周りに目が向かないの?


「人思いな人っていいよねー。一緒にいて楽しいよ」


自分の思い通りに動いてくれる人は都合がいいもんね。


佐山さんにとっての楽しいはイコール、ラクってことなんだって、わかってきた。


駄目だなあ…私。


嫌な所ばっかりが見えてる。


人のこと分析できるほど、何かを経験したわけじゃないのに


わかったフリをしているだけ。


ただ、佐山さんが私の苦手なタイプ。


それだけのことに理由をつけて、佐山さんを嫌な人にしようとしてる。


最低だよ。


フッと佐山さんの話の途中で漏れた笑いは


虚しいだけの、乾いたものだった。