「あ、そうだ戸塚さん家どこ?一緒に帰らない?」
「え…家?」
いやいやいや、待ってよ。
いきなり家どこ?って。
一緒に帰る?嫌だよ。
私達、友達でも何でもないんだよ?
仲良くもないし、知り合って間もないようなものなのに。
「家…は電車通学だから、無理かな。佐山さん徒歩でしょ?」
「あーそうなんだ…残念。って、なんで戸塚さんあたしが徒歩って知ってるの?」
そんな不思議そうな顔しないでほしい。
昨日校門出るまで一緒だったじゃんか。
それで、駅に行く私とは逆方向の住宅街に歩いて帰ってたじゃん。
「…昨日、見たから」
「えっ、嘘!本当に?」
「一緒に出たよね?」
「あ、そっか、そうだったね。ビックリしちゃった」
え…なに?
まさか私がストーカーしてたとか思われたの?
嘘!はこっちのセリフだよ。
絶対佐山さん私になんて毛ほどの興味もない。
話相手…しかも自分の言いたいことだけ喋れる、人形みたいだとか思われてるのかな。



