初めて会ったときみたいに2人で草原に寝転んで笑い合う。
この1週間であったことをお互いに話しているうちに、風香と工藤くんが裏でいろいろと動いてくれていたことを知った。
深影を遠回りして帰るように仕向けたり、風香は風香で私を早く帰るように急かしたり。
帰り道に深影の背中を見ることが多かったのも多分そのせいだ。
話しかけようとしたら逃げられていたけれどね。
「ね、深影って転校してきたの?」
「風香に聞いたん?」
「うん」
今なら訊いても大丈夫な気がする。
だんだんと赤く染まっていく空に、一番星が浮かぶ。
深影といると時間が経つのが早い。
やがてポツポツと教えてくれた、深影の過去。



