「先に謝らせて」
スッと向けられた視線が交わる。
痛々しい頬が目に入って、思わず顔を背けそうになったけれど、ダメだ。
向き合ってくれてるのに、私が避けたんじゃ意味がない。
「ごめん」
なんだろう、この違和感。
私は深影に謝られたかったわけじゃない。
ただ、前みたいに話したくて
4人がバラバラなのが嫌だっただけ。
ごめんって言われて、胸がツキンと細い針で刺されたように痛む。
「鏡華の声、ずっと聞きたかった」
目を細めて微笑まれて、今度はまた違った音を立てる胸。
…やっぱり、好きだなあ。
私もずっと深影の声を聞きたかった。
ずっと話したかった。



