どうしようか迷っていると、深影が俯けていた顔を上げた。
その顔には
「な、なにそのアザ」
頬の辺りに真ん中らへんから青く変色したアザ。
学校にいた時はそんなアザなかった。
まさか、工藤くん?
「幸久に殴られた」
「なんでそんなこと…」
大人しそうな工藤くんが深影を殴るなんて信じられない。
よっぽどの理由がないとおかしいよ。
「鏡華がずっと落ち込んでること、風香から聞いたって、幸久に連れてこられた」
なにそれ…
私のせいで殴られたってこと?
ていうか風香に落ち込んでたのバレてたんだ。
「鏡華のことずっと避けてた」
頬を痛そうにしながら、深影が話してくれる。
「あんなん突然されたら嫌われても当たり前やって思ってさ」
「そんなことないよ!」
確かにこわかったけれど…
でも、嫌いになったりするわけない。
むしろ避けられてずっと悲しかったのに。
「幸久にも言われた。ちゃんと鏡華の話聞いてやれって」
「あのね…私」
「ストップ」
話しちゃダメなの?
言いたいことがありすぎて、自分の中でもまとまってないのに、言葉が喉まで出かかってる。



