─────────ガチャッ


『ただいま…』



誰もいない広々とした部屋に響く自分の声。


昔はちがった。

中学生の頃までは家へ帰ると、大勢の人が私の帰りを待っていた。

けどそれは、家族としてではなく、仕事のため。


そう、仕事だからあの人達は私の帰りを待っていた。