天野さんに会いに行って、早数日。
ついに夏休みを迎えた。
案の定、特に予定もなく暇な日々。
お兄ちゃんはほとんど仕事で家にいない。
でも夜は雅くんが来て、一緒にご飯を食べてる。
夏休みになっても結局は、淡々とした日々が過ぎていくだけ。
「彩菜!明日、夏祭り一緒に行かない?」
「えっ、明日?」
この日は梨絵菜とカフェでお茶をしていた。
他愛のない会話をしてると、いきなりそう言われた。
「他に何人か誘ってさ、みんなでお祭りに行って、ワーッと騒ごうよ!」
両手を広げて、梨絵菜は二カッと笑った。
「うーん……」
夏祭りかぁ……。
少し考え込んで、
「ごめんね。パスするよ」
と返答した。