彼の額には薄ら汗が滲んでいた。 「暑そう、ですね」 「暑そうじゃない。暑いんだよ」 「そうなんですか……」 あっさり途切れる会話。 少し久々だから、何を話せばいいか。 何から話そうか。 少しだけ頭の中がこんがらがる。 「夏、ですね……」 「あぁ」 「もうすぐうちの学校、夏休みで」 こんな話、つまらないはずなのに。 目の前の天野さんは頬杖をついてちゃんと私の話を聞いてくれてた。