馬鹿にしたような言い方。 少し、イライラした。 「怖気づいたりなんか、しません」 「へーえ。ここに来るのってさ、あの日以来だよね。……俺があいつの罪を教えてあげた日」 「早く、天野さんを連れて来てくださいっ……」 視線を逸らし、膝の上で手をギュッと握りしめた。 「……少し、待ってて」 桐谷さんはそれだけ言って、出て行った。 少しして、透明の板で区切られた向こう側に天野さんの姿が。 「お久しぶりです」 彼を見て、そう言うと。 「あぁ」 ぶっきらぼうな返事をしてくれた。