夕方の6時。 桐谷さんが迎えに来た。 今日は少し早めにしてもらった。 「忙しいのに、すみません」 「別にいいよ。意外と暇だったりするから」 車に揺られ、天野さんが収容されてる刑務所に到着。 何度見ても不気味な所……。 面会室に入って、椅子に座った。 「じゃ、あいつ連れて来るね」 「はい」 「……意外だな」 「え、何がですか?」 入口に立つ桐谷さんは、ニヤニヤしながら私を見ていた。 「あいつに怖気づいて、もう来ないかと思った」