両親がいなくなって15年。 お兄ちゃん、よく私をここまで育てたな。 そんな事を考えながら、ずっと目を閉じて手を合わせたままの兄を見つめた。 視線を感じたらしい。 お兄ちゃんが急に私の方を見て「何かな?」と言った。 「ううん。何でもない」 「何だよー。俺に見惚れてなかった?」 「見惚れてないもん」 私を育てるの、大変だったよね? 育ててくれてありがとう、と。 心の中で呟いた。