「雅。来てたんだ」


「あ、夏輝。彩菜ちゃん」


「いつも、ありがとな……。仕事で、なかなか来れないから」


「ううん。いいんだよ」



いつもって事は。
雅くん、よく来てくれてるの?





「それにしても……あれからもう、15年も経ったんだね」


お墓を見つめながら、雅くんは悲しそうに呟いた。




「僕さ、まだ信じられないんだ。夏輝の両親がまさか、あんな」


「雅」


「えっ」


「その事は、あまりベラベラしゃべるな」



そう言って、チラリとお兄ちゃんは私を見た。