「天野」 静かな空間、俺を呼ぶ声がした。 伏せていた顔を上げると、独房を覗いてる桐谷がいた。 「何か用かよ……桐谷」 「冷たくしないでよ。俺らの仲じゃん」 こいつはなにかと絡んでくる。 鬱陶しい奴。 「最近、寂しいんじゃないの?彩菜ちゃんに会えなくて」 ニヤニヤしながら、意味あり気に聞いてきた。 「そんなわけないだろ……」