天野さんに会いに行ってから、数日が経過した。 お兄ちゃんが仕事で遅くなる事もあまりなく。 タイミングもなくて。 なかなか彼に会いに行けなかった。 天野さんって、本当に凶悪な人なのかな……? 「彩菜、最近どうした?ボーっとしてる事多いよね?」 学校のお昼休み。 梨絵菜がウィンナーをフォークで刺しながら、心配そうな面持ちで言った。 「あ、もしかして恋の悩みかな!」 「ち、違う違う!!」 それは断じて違う……。