ほんの些細な事が馬鹿みたいに嬉しく感じた。 「何、嬉しそうな顔してるの?」 「えっ」 帰りの車内で、桐谷さんがからかうように指摘してきた。 そんな嬉しそうだった? 「あいつと何か、進展あった?」 「いえ、そんな事は……」 なくもないかな。 「いいね……彩菜ちゃんは。何も知らないから、お気楽で」