「お帰り、彩菜ちゃん」


「ただいま……。あの」


「大丈夫。あいつ、怒ってないから」


「本当……?」


「うん。でも、すっごく心配してた」



それを聞いた瞬間、胸がギュッと切なくなった。


お兄ちゃん、ごめんなさい……と心の中で呟いた。





「なるべく、心配かけないようにね」


雅くんは苦笑いしながらそう言った。





「夏輝にはさ、もう彩菜ちゃんしかいないんだから……」


その言葉は私の胸に重く圧し掛かった。



胸の中が余計に切なくなる。
それと同時に膨らむのは、罪悪感。