「あ、あの……」


何か言おうにも、口から言葉が出てこない。


その時、お兄ちゃんが右手を振り上げた。




「っ……」


叩かれるっ!!

咄嗟に目を閉じて身構えた。


しかしいつまで経っても衝撃はこない。



その代わりに、頭にポンッと手が置かれた。



「……?」


何事かと、目を開いた。


お兄ちゃんは優しい笑みを浮かべていた。




「よかった……」


「……」


「風呂、入ってくるよ……」



お兄ちゃんはお風呂場の方へ行ってしまった。


それと入れ替わりに雅くんが来た。