「さ、彩菜ちゃん。次の場所に行こうか」 「は、はい……」 自分から知りたいって言っておきながら、帰りたいって気持ちも芽生え始めてきた。 でも、せっかく桐谷さんが時間を割いてまで案内してくれてるんだから……。 そんな事言えないや。 お互い無言で静かで、やや薄暗い廊下を歩いた。 コツコツと足音だけが反響する。 「はい、着いたよ」 「あの、ここは……」 桐谷さんはドアの前で足を止めた。