ポンッと頭に手が乗せられた。




「平気だよ。何も問題ないから。彩菜ちゃんは、何も余計な事は考えなくていいんだよ?」



何故か、妙に威圧感を感じて私は渋々「はい」としか返答できなかった。





建物の外観はお兄ちゃんが見学させてくれた場所と変わりないように見える。


桐谷さんの後ろに続いて恐る恐る中へ足を踏み入れた。





「ここが、キミが見たかった腐った世界だよ」


「……」



中は刑務所とほとんど変わらず、殺風景でただ決められた間隔に扉が並んでる。


ただ1つの独房が極端に狭い。



収容されてる人は皆、隅で膝に顔を埋めていた。


そして天井の隅には監視カメラが。