それから、何をしても集中できなくて。 ぼんやりしたり、適当に過ごしてるうちに気がつけば日が暮れていた。 ―ピンポーン そろそろご飯の準備をしようかな、と台所に行こうとした時。 チャイムが鳴った。 「誰、だろう……」 玄関に行ってドアを開くと……。 「よっ。彩菜ちゃん」 「……雅(みやび)くん」 そこにいたのは、スーパーの袋をぶら下げた、お兄ちゃんの親友の相川雅(あいかわみやび)くん。