ある時から、急に明来の様子がおかしくなった。
『あの、透真……お昼、他の友達と約束しちゃったから、また一緒に過ごせなくなっちゃったの』
『えー、またかよ』
『ごめんなさい……』
大学でも俺らはいつも一緒に過ごしていた。
あまり他の人との関わりなんか、持っていなかった。
でもある日突然、明来は「他の人と約束した」と言い、昼休みを一緒に過ごさない日が続くようになった。
新しい友達ができたんだな、と寂しく思いながらも、この時はそう思っていた。
でも、だんだん明来はバイトが休みの日にいつも出掛けるようになったり、バイトからの帰りがやたらと遅くなるようになった。
『なぁ、最近やたら帰りが遅いけど、どうして?コンビニのバイトって夜10時までだろ?』
『あ……実は、ちょっと寄り道してるの。新しい、友達ができて……』
『そう、なんだ……』
俺はそれ以上、何も聞かなかった。
何でもっとしつこく追及しなかったのか、俺はのちに痛烈に後悔する事となる……。


