『ねぇ透真、私もバイトを掛け持ちしようと思うの……あなたにばかり、負担をかけさせられないわ』
『何言ってんだよ、お前だって週に5日もコンビニでバイトしてんじゃん。それ以上無理するな』
『……でも』
『バイトの掛け持ちは、俺が好きでやってる事だ。気にするな』
『透真……でも私、思うの。私と一緒にいるから、透真に余計な負担がかかってるんじゃないかって』
『んなわけねーだろ!俺は、明来がいるから毎日それなりに楽しくやれてるんだよ』
『……透真』
『明来、俺はこれからも、お前と一緒に生きていきたいって思ってる』
『そんなの、私だって……』
『じゃあ約束な。これからも、ずっと2人で生きていこう』
お互いの小指と小指を繋いで、交わした約束。
指切りなんてガキみたいだと思ったが、それでも明来は嬉しそうに微笑んでいた。
これからもずっと、明来と2人で過ごす日々が続いていく。
勝手にそう信じていた。
……あんな事が起きるなんて、全く予測していなかった。


