「てかさ、うだうだ悩んでないで、とりあえずがんばってアタックしちゃいなよー!もしかしたら両想いになれちゃうかもよ?」


「むっ、無理だよっ!そもそも私はただ、気になってるってだけで、恋してるって決まったわけじゃ……」


「いいや恋でしょ!私の勝手な直感だけど、絶対恋だと思うな」




梨絵菜が大きな声で言うから、周りの人がチラチラとこっちを見ている。


私は少し恥ずかしくなって俯いた。

それでも彼女は構わず話を続けた。




「ついついその人の事ばかり考えちゃったり、一緒にいると嬉しい気持ちになったり、苦しくて切ない気持ちになったり、ドキドキしたりしない?」


「……する、けど」


「じゃあ恋だね!」




恋って本当に?
私が天野さんを?

本当の本当に、恋してるの?


カァーっと自然に体が火照ってしまった。




「あ、彩菜ったら赤くなってる。可愛いっ」


「もうっ!」


「でもま、とにかく、好きな人に対して消極的な態度じゃダメだよ。積極的にいかないと、他の人に取られちゃうよ?」


「……うん、ありがとう」




取られるも何も、私の入り込む隙なんて、本当に1ミリもないんだけどね。