「協力って、何をするつもりなんですか……?」



桐谷さんは不敵に笑って。

私に顔を近づけて、耳元で。




「あいつを外に出してあげる」


衝撃的な事を呟いた。




天野さんを、外に……?


それって……つまり……。




「逃亡させるって事ですか……?」


「ま、そうなるね」


「……」


「あいつは死刑囚。どのみち死ぬ運命は避けられない。だったら、あんな狭い独房から出してやって、最後の思い出作りをさせてやるのも悪くないかなって」