「本当に……?」


「本当だよっ!私、今までお兄ちゃんに嘘なんてついた事ないじゃん……」



兄に嘘をついた事なかったのは、昔の私。


もう私はあの頃とは違う。

この秘密は絶対に隠し通さなきゃ。




「隠してる事なんてない……本当なんだよ?お兄ちゃん」



お兄ちゃんは何故か、とても悲しそうな表情をして「そっか」と言って再び冷やし中華を食べ始めた。


ほっと安堵した。

でも、漂う空気は気まずいままだった。