「……彩菜、さ」


深刻な話だ。
雰囲気でわかる。




「何か、隠してる事……ない?」


「っ……」



心臓がドクンって、大きく音を立てる。

ジワジワと手に汗が滲んできた。



カチカチと時計の針の音だけが響く空間に、酷い息苦しさを感じた。




「俺に、隠し事があるんじゃないの?」


ねぇ、何でそんな事聞くの?




「まさか……隠し事なんて、ないよ」


バレてる?
天野さんと会ってる事。