ズキンて。
また胸が痛くなった。


「明来」って名前を聞いて、男の人かもって少し期待してたのに。

やっぱり、女の人だった。


肩より少し長めの髪。

白い肌。

大きな潤んだ瞳。


なんだか少し儚げで、守ってあげたくなるようなタイプの人だな。



でも、夏なのに水色のカーディガンを着て、丈の長い白いワンピース。

暑くないのかな……。



「あの、あなたは……」


彼女の声にハッと我に返った。

そうだ。
ここに来た目的は……。



「吉倉明来さん、ですよね?」


「そうですけど……どうして私の名前を?」