「ま、ここから出たって、どーせすぐ捕まって、すぐに死刑執行といったところだろうな。どのみち、お前が死ぬ運命は避けられない」
言われなくても知ってる。
死刑の覚悟もできてる。
覚悟はできてんのに、なのに今更っ……。
「どうせ死ぬなら、少しでも思い出がほしいだろ?ちょっとでも長く、彩菜ちゃんと一緒にいたいだろ?」
何でここで彩菜の名前が出てくんのか意味不明だけど。
ここから出れば、会える。
明来に……。
「で、どうする?」
「……問題になるんじゃねーの?お前が俺を逃がしたりしたら」
「その辺は大丈夫だよ。適当に理由考えて、お前が自ら脱獄したって事にしとくから」
なるほどな……。
俺の罪がまた1つ増えるって事か。