「彩菜ちゃん、大丈夫?」 「えっ……」 車内で唐突に意味のわからない事を聞かれた。 「大丈夫って、何がですか?」 「……いや、別に」 「……」 変なの……。 それ以降、特に会話もないままいつもの場所に到着。 いつもの面会室に通されて、いつものように透明の板の向こう側に少し気怠そうな彼が現れた。 「……また来たんだ。暇人」 「はい。暇人なんです」 「あっそ」 何の意味も持たない会話。 でも私はこの時間が、好き。