「巻き込むなって、今更言われても……もう遅い」


『え……』


夏輝が何か言い返してくる前に、一方的に電話を切った。



携帯を乱暴にテーブルに置いて、頭を抱えた。




もう遅い、何もかも……。


全ては順調に進んでる。
事態はもう、最悪のシナリオ通りになってる。


もちろん彩菜ちゃんに変な事するつもりはない。

あの子には恨みはない。
俺が憎んでいるのは……天野透真。



俺はどうしても、天野が許せない。


憎くて憎くて、たまらない……。