「じゃあ、どこにいるの?」
無性に知りたくなって、お兄ちゃんに詰め寄った。
「彩菜、もう帰ろう」
「えっ……」
「十分見学したでしょ?早く帰ろう」
険しい顔したまま、お兄ちゃんは私の腕を引っ張った。
痛いくらいの力で……。
そのまま外に出た時だった……。
何かあったらしく、部下らしき警官の人にお兄ちゃんが呼ばれた。
「彩菜、すぐ戻るから。先に車に乗ってて。絶対にウロウロしないでっ!!」
そう言って、バタバタ走って再び中へと戻っていった。
1人残された私はただ、ポカーンとするばかりだった。
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